2025/03/07 15:19
マルスラン(Marselan)はカベルネ・ソーヴィニヨンとグルナッシュの交配品種です。写真のような黒ブドウで、基本は赤ワインの醸造に使われています。中サイズの密な果房と小粒から中粒、非常に濃い紫色の果粒を持っています。また、ブドウの皮が厚く、タンニン分が多いです。
マルスランは灰色カビ病やうどんこ病に対して強い耐病性があり、また、乾燥地でもよく育つため、温暖化と気候変動の時代において、ますます注目度が高まるブドウ品種の一つです。
マルスランの起源地と沿革
- 1961年、フランスのブドウ育種家ポール・トゥルネル博士によって、カベルネ・ソーヴィニヨンとグルナッシュの交配から開発されました。生まれたフランス南部の町マルセイヤン(Marseillan)にちなんで名付けられました。
- 1990年12月、マルスランはフランスで品種審査を通過し、フランス農業・食料主権省の「栽培植物の育種に関する常任技術委員会(CTPS)」の品種名簿に登録され、植物品種保護権(PVRs)の保護を受けられるようになりました。
- 1997年9月、フランスはマルスランを正式に推奨品種として登録しました。この品種は主にIGPワインに使用されています。フランス以外ではブルガリアもマルスランを推奨品種のリストに追加しました。
- 2002年、世界初のマルスランワインが発売されました(のようです)。
- 2008年、ラングドック地方シャトー・カンプラゼン(Château Camplazens)のマルスランで造られたワインが、2008年のDWWAで銀賞を受賞しました。
- 2021年、マルスランはフランスの農業規制機関であるINAOによって、ボルドー・スペリオールとボルドーAOCワインに使用できると認定しました。